2003.6.30 デジカメアタッチメント

普段持ち歩いている EXILIM EX-S1 だが、マクロモードがないと言う最大の弱点を補うため、倍率2倍のアタッチメントレンズを買ってきた。NNCスリムアップという製品で、楽天でも売っているようだ。私が買ったのは若松ショップだが、価格は 2980円と相場並だった。さっそく使ってみる。

もちろん1番目が使用前、次が使用後である。これでバスの時刻表も一発記録!

2003.6.27 イソジン

私は喉が弱いので、良くイソジンでうがいをする。正しく薄めて正しくうがいをすると実に気持ちがよい。

で、この正しいうがいの仕方のステップ1に「口をすすぐ」というのがあるのだが、最近こいつの新たな効用を発見したので御紹介。それは...

口内炎にキクーーー

というもの。なかなか直らない口内炎にお悩みの方、お試しあれ。

2003.6.23 へっぽこディスク

Maxell の偽OEM品が市場に出回っているそうだ。迷惑千万である。

私も以前、謎ブランドの CD-R が10枚のうち半分位不良で、まともに焼けなかった経験があるので、ブランドには気をつけて購入している。OEM と偽っている現状があるのなら、そういう嘘っぽい表示を無視して正規品を選べば済む話だが、そのうち正規品と同じように見える印刷を施して来るかも知れないし、それっぽい値付けをされたら誤って購入してしまうかも知れない。まぁ現状では「怪しい店で怪しい品物を買わない」という態度を取っていれば大丈夫なようだが...

この手のへっぽこディスクはゴミ以外の何物でもないので、地球資源保護の観点からも(笑)根絶を目指して各社連携して頂きたい物である。

2003.6.21 宅急便

以前、ちょっと大きめの荷物を近所のファミマに持っていった際、バイトの兄ちゃんが箱の三辺を測り始め、「すみませんが、これは大きすぎてうちでは預れません。宅急便の集配センタに電話してもらえませんか?」などと言われた事がある。縦横高さを足して160cm以内という宅急便の制限に引っかかったのだ。この時は言われるがままに集配センタに連絡し、「ヤマト便」というので送った。料金は宅急便より高めだが、それほど非常識な価格でもなかった。

今日、同じようにデカい荷物を送ろうと思い、集配を依頼して配達員に来てもらったのだが、おっちゃん「小さな引越し便になってしまいますけどよろしいですか?」などと聞き慣れない事を言う。

「名前は何でも良いですけど、いくらですか?」
「7600円です。」
「ええっ高いですね! ヤマト便だといくらですか?」
「えーと、2700円ですね」
「じゃぁヤマト便で送って下さいよ」
「いやぁダメなんですよ、ほらこの部分梱包できてないでしょう。ヤマト便は 完全梱包でないと受け付けられないんですよ」
「だって元から金属ケースに入ってるわけだし、中に緩衝材も入ってますから これで大丈夫ですよ」
「いやぁ、これは梱包しているとは言えないんで、引越し便扱いになるんです が。」
「じゃぁここに段ボールを張り付けるだけでOKですか?」
「そういうことになりますね。」
「それだけで5000円も違うの?」
「はぁ」
「じゃぁ今張り付けますから待ってて下さい」
「すみません、他にもお客さん待たせてるんで、また後で来るんで良いですか?」
「でも5分もあれば終わりますけど」
「いやぁ、すみません、申し訳ないんですけど」
おっちゃん、去って行ってしまった。忙しいんだなぁ。1時間ほどで戻って来たけどね。

私は知らなかったのだが、宅急便の言う「梱包」とは、中身が見えないように段ボールでくるむ事であったらしい。私は荷物が痛まないようにしてあればそれが梱包というのだと思っていたが、たとえ金属ケースであっても業者にすればそれは荷物なのであって、傷が付いたらクレームを受けるかも知れない対象なのである。ケースなんか傷が付いても良いやと思っていた私は、日本人的感性が弱いようだ。

というわけで、宅急便を利用する時はきちんと梱包しないと、予想外に高い運送代を請求される事があるので注意しましょうと言うお話でした。ちゃん。

2003.6.20 ニュータウン、あるいは都市開発

多摩ニュータウンの開発が再来年に終了することになったそうだ。子供の頃から、ニュータウンと言えば多摩が真っ先に思い付くから、このニュースを聞いてちょっとばかり寂しく思った。朝日新聞によれば、土地の買収や造成など40年間に総額1兆1600億円が投入されたとのこと。売れ残りの土地は190ヘクタールあるそうだ。

こういうデータを見るまでもなく、多摩地方は空気が綺麗で住み心地が良いと思う。売れ残った土地を格安で大放出してくれるのなら、私も一区画欲しい位だ。でも現状では、高くて手が出ない。値下げされるのをじっくり待つことにしよう。

郊外の開発が終焉に向かいつつある一方で、都心は相変わらず派手にやっている。昨日、新聞に品川新駅開業の全面広告が出ていて、開発前と開発後の風景写真が対比されていた。新幹線の車窓からは気付かなかった醜悪さが、そこにはあった。

とにかく何が悲しくて、あんなに密集して建ててしまったのだろう。せっかくの広大な敷地、西新宿のようにゆったり開発すれば良かったものを、実に貧乏臭いではないか。事業者は歩行者大空間なるオープンスペースを設けたといって自慢しているが、幅はわずか45m。人工的な緑はあるが日当たりが悪く、ビル風に晒される吹抜けのような空間だ。公園と言うよりは、箱庭と呼ぶのがふさわしい。しかも、この箱庭の地下は車道であり、この地域の空調設備が集中配置される。排ガスや廃熱はおしゃれな排気孔から箱庭に注がれると言うわけだ。

区画の東側、品川インターシティインターシティが生まれるまでというページでは、平らだった空間がありがちなビルに生まれ変わる様子を見る事ができる。ここで例えば、この図の南西角にある「ホール棟」の部分だけでも緑の広場になっていれば、印象はだいぶ変わるのではないだろうか。SHOP&RESTAURANT棟をもう少し高くすればホールだって収容できるのだから。

西側区画である品川グランドコモンズはもっと醜悪だ。両区画で協力して、せめて戸越公園位のオープンスペースを用意できなかったのだろうかと激しく疑問に思ってしまった。やはり開発主体が民間の企業連合では限界があるのだろう。都心の高層化を進めるのも結構だが、もっと余裕を感じられる開発へと誘導するような政策は取れない物だろうか。

2003.6.19 ミリ波レーダー

ホンダの新型インスパイア(の、最上級グレード)に、前車との車間距離や自車の車速等を勘案して近付きすぎたら勝手に減速する「追突事故防止システム」が搭載されるそうだ。テレビで見たが、車間が詰まると警告音とともにシートベルトが引き締められ、さらに近付くとブレーキがかかるらしい。ホンダはアコードにも「車間維持システム」を搭載できるようにしているけど、これらの技術が日本でどれだけ受け入れられているのか、興味深い。

そもそもこの手の自動操縦物は、がらがらの高速道路が前提のアメリカ市場向けだと思う。以前、サンノゼからレイクタホまで、直線で250kmある距離を日帰りした事があるが、オートクルーズを使いまくったせいか、それほど疲れなかった記憶がある。でも車速しか見ない今のオートクルーズよりは、車間も見てくれるホンダのシステムの方が便利だから、私がアメリカに住んでいたなら、是非使ってみたいと思うだろう。この技術はアキュラブランドのアメリカ向けですと言われれば、そりゃ良いですねとすんなり納得できる。

ところが、日本で「新たな衝突安全機能です」とかいって発表する、これはしっくりこない。この狭い日本で、オートクルーズが使える場面ってどれ位あるだろうか? おそらくこのシステムは安全な車間を保ってくれるだろうが、そんなことをしたらすぐさま横から割り込まれるのが日本の高速道路の現状である。何台も割り込まれて、その度に減速する新型インスパイアは、おそらく左から鬼のように抜かれるだろう。それどころか、横から急に入って来る悪徳トラックのせいで急減速などすれば、今度は自分が追突される危険に晒される。結局ユーザはこの新機能を使わなくなるだろう。まぁ四国の橋を渡ったり海ほたるの向こう側を走ったりする時には一瞬使えるかも知れないが...

技術は素晴らしいと思うけれど、マーケティングはどうかと思う、そんなニュースだった。蛇足だが、テレビのコメンテータが「これはトラックに強制搭載すると良いですねぇ、煽れなくなるから」というような言葉を吐いていたのは面白い。

2003.6.18 FDX/HDX

昨日から不調だった会社のネットワークのデバッグをしていて、解決したので メモしておこう。
【症状】ルータのFastEthernet I/FにてCRCエラーを多数観測。CRCエラーとなったパケットが落ちる為、スループットも悪化。
【原因】Ciscoの古いI/Fにはありがちだが、全二重/半二重のモードがくるくる切り替わって安定しなかった。いわゆる、オートネゴの相性問題。
【対策】繋ぎ先のL2スイッチのオートネゴを切り、全二重固定にした。

これで CRC エラーはぱったり止まり、元のスピードを取り戻した。

こう書くと簡単だが、ここに至るまでにL2スイッチを交換したり、ルータのインターフェースを交換したりと大変だった。これまで普通に動いていて CRCエラー多発というのは、文字通り取ると、ハード故障を真っ先に疑う症状である。特にL2スイッチが古く、同メーカ機が最近壊れたこともあって、しつこくL2スイッチ原因説を支持し、何度も交換してしまった。3度目に交換した機種に、全二重/半二重インジケータがついていて、これらが混在しているのに気がついたので「半二重でコリジョンが起こると、全二重ではCRCエラー/フレーミングエラーとして見える」というのを思い出したのだった。

最近の機材ではこんな事で悩む事は少ないと思うけれど、念の為。

2003.6.16 あじさい電車

井の頭線の線路沿いに植えられている紫陽花がそろそろ見ごろを迎えています。 満開になるまでもうすこしかかりそうですが、この時期に同線を使う機会のある方は、一度先頭車両に陣取って車窓を楽しまれるとよろしいのではないでしょうか。

割と綺麗なのは東松原(写真一枚目)、西永福から高井戸(写真2枚目)、三鷹台のあたりです。

2003.6.13 いたちごっこ

ヤフオクのスパムアラーム、またかよと思って見ていたのですが、中にこんなのがありました。おおっと思ってメーカーの機種一覧を見ると、いやー大したラインナップです。すごい。 レーダー探知機の最新型がGPSレシーバー搭載タイプだというのは知っていたのですが、このAVMシステム電波受信タイプと言うのは知りませんでした。全く、いろいろ考え付きますね。

それにしても、宣伝文句が奮っています。

緊急車両に搭載されている自社位置測定情報装置の電波をキャッチする事により、いち早く緊急車両へ進路を譲り、安全な走行ができます。
こういうセンス、憧れてしまいます。追尾/記録される前に減速し、いち早く譲る事、これは探知機ユーザでなくても大原則ですからね。

もっとも、この AVMシステムについてちょっと調べて見ると、消防、救急の他にタクシー会社も採用している所があるらしいです。ということは、この探知機のユーザはタクシーからの誤報に鈍感になっているはず。そこで、私が警察庁長官だったら何をやるか。ずばり。

タクシーを改造して覆面パトにする
これ最強。ついでに客待ちタクシーの二重駐車をバシバシ取り締まってください。よろしく。

かくして、いたちごっこは続く...のか?

2003.6.11 blog一周年

気管支炎とかでふせっているうちに、気がついたら一周年。早い物です。いろんなテーマで書き散らして来ましたが、書きっ恥とでも申しましょうか、止めとけば良かったと思う事もありました。時々皆さんから頂くコメントが楽しみで今日まで続いて来た感じです。巡回リストに入れてくださっている皆様、ありがとうございます。

次の一年も、どんなテーマになるかはわかりませんが、時間が許す限りつらつら続けてみたいと思います。

2003.6.8 食器洗い乾燥機

家電購入すごろくもこれで遂に上がりか...と思いつつ、新三種の神器と言われる物の一つ、食器洗い乾燥機を購入してしまいました。ちなみに他の二つはちょいと苦しくて、バイオ式生ごみ処理機と IHコンロだそうです。もっとも、新三種の神器はDVDレコーダー、PDPテレビ、デジカメだという意見もあるようですが...

さて、買ったのはTOTOのこちら。ステンレスじゃない方です。なぜこれにしたかと言うと、なんとなく水回りに強そうな気がしたから。ウォシュレットの技術と言うか...関係ないかも知れませんが。

実際届いてみると、店頭で見るよりでかいのですね。うちのキッチンが狭いと言う話もありますが、結構大きいなと言うのが第一印象。ただ、うちでは多分これが食器棚を兼ねる事になると思うので、上下2段で使い分けができることを考えると多少の大きさは許容範囲になります。

設置にあたっては色々悩んだのですが、置き場所がシンク水栓の反対側になってしまいました。分岐水栓を使うと、ホースが目の前にどっかり鎮座する事になってしまいます。今後10年は使おうと思っているので、これはどうにかしたい。仕方なく、シンクの上面、既存水栓と対称の位置に穴を開けて食器洗い機専用の水栓を増設する事にしました。

水道屋に工事費を見積もってもらったところ、19000円だというのです。さらに止水栓の部品が3000円とのこと。合わせて22000円...高いよー。

TOTOのページで施工説明書をダウンロードしてみると、ステンレスに穴さえ開けられれば私にもできそうな内容でしたので、自分で施工する事に決定。止水栓はホームセンターで買って来ました。1480円。さらに、鉄板に穴を開けるホールソーという部品も購入。25Φの奴、2680円。あとはドリルです。

ちょうど充電式ドリルが欲しいと思っていたので、色々調べたのですが、鉄板に穴を開けるにはそれなりのトルクが要るようです。TOTOも 12V の充電式ドリルを使うよう指示しています。しかし 12V なドリルって高いんだよなぁ...今後の使い道を考えるとクラッチも欲しいし...

悩んだ挙げ句、ナショナルのこれにしました。クラッチ付きでトルクが160kgf-cm 以上あって軽くて安いもの、本体と充電器とバッテリーセットで7980円でした。ここまでで、12140円、税込み12747円です。自分に人件費として1万円支払えることになります。

さてさっそく工事に取り掛かります。切削油がないので穴開けは休み休み慎重に、幸い大して厚くなかったので割とすぐに開きました。あとは説明書の通りカチャカチャと水道工事を行い、1時間くらいで完成。うーむ完璧だ。

さっそく皿やら箸やらスプーンやら突っ込んで、試運転です。人手では熱くて洗えない、60度の湯でバシャバシャやるわけですから結構早くて、しかも綺麗に洗い上がりました。いやー、これは便利。評判通りです。水道代も安くなるそうだし、これは神器と呼ぶに値すると思いました。これからが楽しみです。

というわけで、TOTOの奴を付けたい方おられましたら出張工事致します(笑)

2003.6.6 ニュースいくつか

2003.6.5 語録 - 三木谷浩史・楽天社長

日経ビジネスアソシエ 6/17 号より。
- 集中力と言っても、二つパターンがあるんです。冷静な判断力が要求される時とエネルギーがものすごく必要なときです。前者は、重要な決断をする段階。このときは誰とも接触しないで雑音を断ち切って、判断します。場所的には新幹線など移動空間が多い。

- 後者は、決断した事を実行に移す時です。その時には自分のモードを切り替えて、「行くんだ」と言う意識を高めて、精神的エネルギーが落ちないように心がけます。

- 負のエネルギーじゃなくて、とにかく正のエネルギーを出すと言うのが、社長の一番重要な仕事じゃないかな。

- あとは運動が非常に大事です。運動を通じて神経システムを活性化させるんです。

- それから仕事を好きになる事です。イヤなことをやってたら集中力はでない。かならず楽しみを見つけて、課題を見つけて解決していく。

いちいち「そうだよなぁ」と納得できるのだけれど、納得してるだけじゃなくてちゃんと実行しているかと言うと、私の場合疑問符が付く。まぁそのへんが億万長者との違いなのだろう。上の「社長」という部分には、あらゆる階層におけるリーダーがあてはまる。もちろん、旧態依然とした課長とか係長とか言うポジションとは関係なく、プロジェクトを引っ張る人がリーダーなのだ。

最近運動してないなぁ。またちょっと頑張らナイト。

2003.6.4 PDAその後

J-phone の新しい東芝端末、 電子辞書機能を標準搭載だそうです。やはり PDA のライバルは携帯なのですね。でも4万語程度じゃまだ使えないな。バックエンドに100万語クラスの辞典を控えさせて、ローカル辞書にない単語はネット経由で聞きに行く位のサービスがあれば最強だと思うのに。

ただ個人的には、テンキーでぽちぽちやるのは嫌いなので、いくら携帯が機能を増して行ってもあんまりソソラレないのですが。デジカメ機能も、結局の所フラッシュがないと逆光の時とか困るしなぁ。もう一押しですかね。

関係ないですが、デジカメ繋がり。SO505iのグリっと回る機構、あれ壊れないのかなぁ...まぁ、そういう野暮な心配を気にせずデザインでつっ走る所もS○NYっぽいと言えるかも知れません。

2003.6.2 キーワードスパム

今風にかっこよく言うとSEO (Searth Engine Optimization)と呼ぶテクニックがある。専門の会社もあるし関連図書も出て来ているのだが、少し前まではキーワードスパム、あるいは検索エンジンスパムと呼ばれていた気がする。

詳しい事は書籍に譲るとして、もともとは、できるだけ検索にヒットさせようと本文とは関係ない所にいろんな単語をくっつける手法が取られていた。例えば、エロサイトの入口ページに「たまちゃん、たまちゃん、たまちゃん...」などと100個位キーワードを背景と同じ色で見えないように書いておくと、「たまちゃん」の検索結果の上位に食い込む事ができ、一部の人をエロサイトに誘導できると言うわけである。

もちろん、こんな原始的な手が通用したのは altavista の時代までで、google 様には通じないため、今はもっと手の込んだテクニックが使われる。

さて、いまさらこんな話題に言及するのはなぜかと言うと、最近某ショッピングサイトのアラート機能を使いはじめたからである。これがまたスパムに対して弱い弱い。アラート機能と言うのは要するに自動検索機能で、例えば「ダイハツ ネイキッド」というキーワードで一日一回検索して結果の差分をメールしてくれるわけだが、まぁ関係ないものの多い事と言ったら。簡易検索と割り切って諦めているが、単純なスパムをブロックするのは案外簡単なので、この部分はもうちょっと改良の余地がある。

ただ、他の分野でアラームを仕掛けたようなやつはうまく動いているから、もしかすると車の分野の出品者ってエロサイトの運営ノウハウに通じているのがいるのかも知れない。とすれば、アンチスパム機能を実験するならまずこの分野からということになる。

というわけで、よろしく > 某ショッピングサイト

2003.6.1 電子レンジその後

新しい電子レンジはそれなりにまともに動いている。イカはまだ試していないが、冷凍ごはんの温めはなかなか速いようだ。よしよし。ただし、苦手なものもある。冷凍カレーである。

これは前の機種でもそうだったのだが、カレーを深い容器にいれ、かちかちに冷凍したものを温めると、下の図のように中央部が凍ったまま、周辺だけ熱くなってしまうのだ。

で、周辺部が容器の蓋を十分温めると、赤外線センサによって調理が終了する。中央部は凍っているので、そのまましばらく放っておくと、伝導熱によってシャーベット状になる。これをフォークなどでサクサクと割ってかき混ぜ、再度加熱するというのがこれまでの手続き。

ところが、新機種だと前よりこの手間が余計にかかるようなのである。どうも、周辺部Bがあまりにも急速に温まってしまうので、中央部Aがまだかなりの部分凍っているのに、センサが反応して止まってしまうようだ。ハイパワーが仇となったようである。熱容量の関係で、温まった周辺部は中央部をシャーベット化するに至らず、フォーク位ではさくさく割れない状態であるので、仕方なくもう一度温めキーを押す。周辺部は再び強力に加熱され、センサが反応。でも中央部は相変わらず凍ったまま。この繰り返し。

料理に詳しい人なら、「そんなカチカチの冷凍物をいきなり温めるから失敗するのよねー、まずは解凍ボタン、次に温めボタンじゃないかしら」とか教えてくれるだろう。それに異論はないのだが、ここはちょっと角度を変えて考えてみたい。すなわち、「いったんどこかが解けるとその部分だけ集中的に熱くなるのはなぜか」ということである。明らかに、吸収のされ方に差があるのはなぜか。

電子レンジは電波で水分子を震わせ、その摩擦熱で温めるのだというのは現代人の常識だ。2450MHzの高周波が水分子の固有振動数に近いのだと、まことしやかに語られる。うーむ、もしそうなら、氷の状態よりも液体の状態の方が早く温まるというのは、ちょっとばかり不思議である。氷だって水分子じゃないか。同じように温まってしかるべきだ。そもそも水分子の固有振動数ってのは何なのさ。

水は液体だと分子クラスタを作るそうな。世の中には水博士は多いようで、こんなページこんなページがある。ファンデルワールス半径(懐)が 4オングストロームだそうだが、それが 2450MHz とどう繋がるのか...これが素人にはわからない。全然関係ないのかも知れない。ちんぷんかんぷん。そもそも 2450MHz の波長は 12.24cm もあるのだから、これがどういう理屈で水分子クラスタに作用するのか、てんで不明である。実験的に「この辺だと良く吸収される」と言う感じで決まったのかもしれないが、調べ出すと結構はまる。

例えば水蒸気についていえば、吸収のピークは 180GHz と 320GHz にあるらしい。180GHz なら波長は 16オングストローム、さっきの4オングストロームにだいぶ近くなる。が、今問題にしているのは液体で、水は双極子だから云々、液体だといろんな形でクラスタをなしているカンヌン、要するになんだ、別に 2450MHz じゃなくてもいいんじゃないか。吸収のピークは 22GHz だそうだが、なんかすっきりしない。どこか良い解説はないかな。

日本語のページを探すのを諦めたら、こういうところに詳しい話が載っていた。詳しすぎて良くわからんけど... 吸収カーブが載っている。なんだ、1GHz から 300GHz まで幅広いじゃないか。で、発熱によって水素結合が弱まって(?)、吸収のピークもシフトすると言うのが図になっている。さらに塩分が入ると、また様子がちょっと変わるようだ。水分が高温になって2450MHzの電波を吸収しなくなったら、変わりに肉のように塩分を含む部分が吸収するとは面白い。

こうして知識は付いたが、結局の所、まずは解凍ボタンなのである。しょうもない...解凍って時間がかかるんだよなぁ。というのは、単なる弱出力の間欠運転だから。氷を特異的に狙い撃ちする電子レンジができれば、それは21世紀の電子レンジと呼ぶにふさわしいのではないかとさえ思ったが、2450MHz の電波は氷をほとんど突き抜けてしまうらしく、氷を温めるには 10MHz くらいじゃないとダメらしい。

うーん、この次世代レンジ開発のために電波法を改正してもらえないでしょうか > 総務省どの


[2003.5]