不動産選びは大変だ

ある夫婦が居を構えてから結構時間がたった。これまでいろーーーーんなことがあり、結果には満足しているものの、そう何度もやりたくない気分だそうだ。 夫婦の足取りを追ってみよう。

Chapter 1. 某コーポラティブハウスに参加、そしてキャンセル


2001.4 申し込んでいた社宅の割り当てが決まった。「新所沢徒歩20分」という結果だった。組合で役員をやると「国分寺徒歩10分」になるらしい。不可解なことに、社宅使用料は広さ「だけ」で決まっていて、新所沢の方が高かったりする。こないだ笹塚にできた立派な社宅は、社宅管理の子会社の社員だけが入居しているという噂だ。全く人を食ったシステムである。で、こういう社宅割り当ての不透明さに嫌気がさして、さくっと断ってしまった。くそー、そんならいっちょ、買ってやろうじゃねーか。

2001.5 不思議と、どこからともなくマンションを買えという圧力が高まり、勉強を始める。
読んだ本「いい家が欲しい」 「こんな住宅・マンションにだまされるな」「あなたのマンションを鑑定する本

2001.5.20 職場の人に紹介された「コーポラティブ住宅」の説明会に参加。コーディネータは業界大手のUDS。その場の雰囲気に呑まれて申し込みしてしまう。いわく、通常のマンションより2割安い、インフィルは完全自由設計、床を掘れば天井高3mも可能...イイ!

2001.5.22 抽選にあたる。あとで他の方から「私たちもあの部屋を希望してたんですよー」とか言われてしまった。
コーポラの勉強開始。読んだ本 「自分たちでマンションを建ててみた。」 「自分スタイルの住まいづくり」 「都心マンション 成功する選び方」 「30年間後悔しないマンション購入術

2001.6.4 役所に行って都市計画をチェック。申し込んでからチェックしてもしょうがないのだが、気休め。

2001.6.5 地盤調査。結果はいまひとつ。まぁマンションでは基礎を掘るから、こんなの調べてもあんまり意味ないけど。

2001.6.8 収益還元法による価格チェック。年利3.2%であった。5%から6%で回すべき不動産投資としては落第であった。

2001.6.10 同じ業者が手がけた他のコーポラ住宅を見学に行く。新築だから当たり前だが、キレイ。

2001.6.17 第一回総会。所要時間6時間。役所の指導により物件プランが突然変更になって紛糾する。新しいプランが納得できない人のために、脱退特約付で組合員になることを半ば強制される。とりあえず山のように判子をつき、建設組合員になった。事前に依頼されていたので、会計担当役員になってしまった。

2001.6.18-28 間取りをいろいろ考える、楽しい日々。家を設計するのって楽しいですねぇ。

2001.6.28 現地を見に行く。まわりの住民から「計画反対」とかいう 看板を立てられていた。鬱ー

2001.7.8 第一回設計打ち合わせ。自由設計とかいいつつ水回りの変更ができないのでがっくりする。床も一部しか掘れないらしい。最初のイメージとは程遠かったな。
建物全体を南側にずらす新しい物件プランが気に入らないので、キャンセルの準備をはじめる。

2001.7.14 第二回設計打ち合わせ。キャンセルの意思を伝える。

2001.7.29 臨時総会。新プランの発表もそこそこに、土地の購入契約をするというのには驚いた。 当然判子を押さず、特約行使の意思表示を行う。

2001.8.2 いろいろスッタモンダあったが、正式に組合を脱退する手続きを踏む。普通なら2割の違約金を取られるところだが、特約を行使したのでなにもないはず。

2001.10 ようやく、正式脱退の書類が届く。やー、大変だった。いろいろ勉強できたし、夢も見させてもらったけれど、高い買い物なので妥協せずに突っぱねた。 しかし後で聞いたら、こういう変な組合員は他にいなかったそうだ。役員だったのに、どうもすみません。ゼネコンも手抜きのおそれのない一流どころに決まったし、きっと素晴らしいマンションになることでしょう。


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