2005.5.31 客商売のキホン

は、客の顔を覚えることだ。私はこれがさっぱり苦手なので、自分には縁のない業界だと思うけれど、何年かぶりに良く行っていた店に行くと「御無沙汰ですね」なんて言われてびっくりすることがある。

会社の裏に小さな中華料理屋がある。小さいと言ってもさっぱりした店構えで、値段もそう安くはないが、味付けが濃くて癖になるため、入社してから昼に夕に、結構通った飯屋である。いつも頼むのは「辛味焼きそば」で、840円。残業代がちゃんと出ていた昔と違って、昨今は昼飯にこれだけ払うのはためらわれるようになってしまったため、ずいぶんと御無沙汰していた。1年か2年か、下手をすると3年くらい行っていなかった。

今日、ふとその「辛味焼きそば」が恋しくなってしまって、行ってみた。店のおやじさんは一見近寄り難い感じで、無口に調理に専念していた。おやじさん、年取ったなぁ...と思いながら、メニューにいつもの奴があるのを確認して、注文。豪快にそばを中華鍋で焼き、竹の子と木耳と豚肉をさっと炒め、そこにネギをちらして唐辛子の効いた餡で絡め、最後にふわっと卵をときいれる。変わってないことに安堵しながら、いつもの調子で食べはじめた。これは水より烏龍茶が合うんだった、ちょっと失敗したな。

そろそろ食べ終わるかなぁと言う時に、突然「ひさしぶりですよねぇ、どうしてました?」とおやじさんに声を掛けられてしまった。あー覚えていてくれたんだなぁ、こちらも十分無口なのにと思いながら、「いやーちょっと懐かしくなってしまってね」などと会話する。たわいのない会話を終えて、「また来て下さいねぇ」と言われて店を出るのは、とても気分が良いものだ。おやじさんがんばってるなぁ、また行かなくちゃな。

2005.5.30 MNP

モデムのプロトコルではなく、いまどきはケータイの番号ポータビリティである。これについてITProの調査結果がでて、手数料が1000円以下だとドコモとauのシェアが逆転する可能性があるそうだ。

はぁーい! はい! はい! 私もでーす。私も移ろうと思ってまーす。

7月から au かなぁとか思っていたのだが、家族割、じゃなかったドコモのファミリー割引で現在割と安く使っているので一人だけ抜けるのはちと抵抗があるのと、家内の番号は結構長く使っているようなので変えたくないという理由で、最近 MNP に興味津々なのだ。

いまのところ、ポータビリティは来年の秋に実現するらしい。今回の調査結果を見てドコモがどう動くか、楽しみだ。どれだけ機動的に動けるかが勝負だよな。FOMA の方も、新機種でこっそり(?)800M帯とのデュアルバンダーにしてきたりしているので、あと1年あれば「バリ3圏外」とか「鞄に入れると圏外」といった汚名は返上できるのかもしれないし。良く知らないけど。

2005.5.29 会社選び

書評を見て、ダメだ!この会社という本を読んでみた。自分が年寄りなせいか、会社の見方と言う点ではあんまり新しい発見はなかったけれど、金融業界の皆さんの給与水準の高さにはあらためて感嘆した。特に外資系。例えば、ボーナスが3000万もらえるはずだったのに「たったの」600万だったから怒って辞表を出す、とか。世界が違うよ...ていうか、これがハイリスクハイリターンな世界なんだねぇと。

皆がこういう世界を求めるようになると、メーカー系の地盤は益々脆弱になりそうだなぁ。日本の自動車メーカーも、いつGMとかローバーのようになるかわからないと言うわけか。うーむ。

にしても、金で金を生み出す世界には違和感がある。

2005.5.28 Thinkpad T42キター

さっそく環境移行中。キーボードがデカくて打ちやすい。これなら高速バスの中でも新幹線の中でもオッケーだろう。が、画面は思っていたより目につらい。SXGA+なら15インチにしておくべきだったかなぁ。ちょっと目が悪くなりそうだ。

さっそく AltIME をいれて、CTRLとCAPSを入れ換え、全角半角キーと ESC キーを入れ換える。快調。ただバックスペースが遠いのとスペースキーがちいさいのが日本語キーボードの不満な点。キータッチは文句無し。さすがは皆が勧める道具だけのことはある。

スティックとパッドが両方ついているのは思いのほか便利そうだ。が、たぶん普段はスティックばかり使うことになるんだろうな。

さっそくHDDを手持ちの80Gに入れ換えようと思ったが、USBでつないでイメージコピーする手段を持たないので、2100円で注文してあるウルトラベイのセカンドHDDケースの到着待ち。

そうそう、「できるThinkPad」とかいう電子マニュアルがついていたので読んでみたのだが、驚愕の発見が。
パッドの基本操作:左ボタンは左手の親指で押しましょう
まぢ? ポインタ関係はふつー右手でやるもんだと思ってたのは旧人類? でも僕の手だと、左手親指で左ボタンを押すためには左手をホームポジションから下にずらさなくちゃいけないし、ちょっと窮屈なんで...多分これまで通りポインタ関係は右でやると思うけれど。左手でクリックを教えるのは、ドラッグとかがやりやすいからなのかなぁ。

2005.5.27 母校訪問

久しぶりに母校を訪ね、卒業証明書をもらった。ついでに回りを散策したら、講堂の脇の倉庫だった所がローソンに生まれ変わっていてびっくり。構内にコンビニかぁ。こりゃー正門前のファミマには打撃だっただろうなぁ。講堂の反対側にある生協はもっと広いから大丈夫だと思うけれど。

で、出身の学科がオープンハウスをしていたので一通り見学。相変わらず I教授のところは楽しそうなことをやっていた。私がいた時でも一種憧れのラボだったが、いまでもその存在感は変わっておらず、実にいい感じのロボットを作っていた。ちなみに私はI教授(当時は助教授だったが)にLISPを教わったのだ。機械工学専攻なのにLISPの講義があり、CAD室にELISが3台あったりしたのは、I先生の影響力だったのだろう。

このラボにどこかで見た学生さんがいるぞと思ったら、NHKのロボコン中継で見たんだった。サインもらっとけば良かったかもなぁ(うそ)

ロボットはこれからどんどん軟らかく、軽く、パワフルになって行くと見る。知性を備えるのはまだずっと先だが、そろそろ道具として使えそうな雰囲気が漂って来ている。面白い世の中になりそうだ。

2005.5.26 駐日大使召還

今日の東京新聞特報。わかりやすい説明だ。

なんだか、外交がヘボなのも、JRが脱線するのも、某社の研究所の存在感が失われて行くのも、同じ理由かもなぁと思う。一言で言えば、「トップが裸の王様だ」ということだろうか。

トップはいわゆる秀才なのだが、目が曇っているのだ。独りよがりで、誤った状況判断に基づき、突き進んで行く。しかも、回りがイエスマンばかりなので、その判断が誤っていることを誰も指摘しないし、議論もしない。ひどい場合には、誤りを知っていながら、それを放置して当事者が失脚するのを待っていたりする。自分は同じ誤りを繰り返さないと信じているが、所詮は同じ池に棲む魚であることを忘れている。

さて、小泉くんがアメリカの思惑に乗って靖国参拝を強行し、中国が大使を召喚することにでもなったら、日本はどう出るつもりなんだろうか。対抗して自国の大使を召喚する? まぁでも、先送りしているうちにアメリカと中国がうまく話をつけて、筋書きを作るんだろうけど。

2005.5.25 なーるほど

あいかわらず 田中さんのニュースには説得力があるなぁ。結局、アメリカにどこまでもついて行くというのが日本の戦略なのかぁ。まぁ、それが楽なのはわかるけど、結局はお得意の先送りだよね。国の立ち位置をまじめに考えることを放棄しているんだろう。

まぁでも、また出生率が下がったことだし、そんな風に先送りしているうちに国力の毀損は確実に進行して行くのであった。どうなっちゃうんだろうなぁ。

2005.5.24 弱腰

自民党の幹事長が「靖国は内政問題」と牽制したら、中国側が激怒して、発言を撤回させられたそうな。間抜けすぎ。相手を怒らせて逃げるなんて、そんな交渉ありか。逃げるくらいならはじめから主張するなと言いたい。

靖国の問題は、双方の死者に対する考え方の違いだという指摘を読んだことがある。日本では、死すれば神なのでもう文句は付けない。中国では、死者であろうと罪人は許されず、墓所を暴かれ骨を晒される。私はもちろん前者の文化圏に属するけれども、後者だって文化だ。野蛮だけどしょうがない。あちらはそういう考え方をするのだ。

で、中国では帝国陸軍の蛮行の責任を全てひっくるめてA級戦犯に被せ、一般の日本人は悪くなかったと言う説明をしているらしい。つまり、A級戦犯に対してはもう、墓を暴いて永遠の侮辱を与えるべしと思っていても不思議はない。ということは、神社に奉っている時点で、もう彼らには理解できないはずだ。その上、その彼らの言うところの極悪人に対して首相が深々と頭を下げるのを見れば、「反省なぞ口ばかりだ」となるのも無理はなかろう。

相手がそのように考えるのがわかっていて、なおそれを強行するというのは、なにかこちらにメリットがあるんだろうか?? 中国でビジネスをしている多くの同胞の資産を危機に晒すだけの価値があるっていうんだろうか??

A級戦犯だって被害者だ、と小泉くんは考えているんだろうし、私も役所に長くいて、ああいう組織犯罪の責任をトップだけに負わせたのはちょっとどうかと思っているけれども、しかし、善し悪しはどうであれ、彼らに全責任をなすりつけることで、当時の中堅連中は免罪符を得たのである。そこを反省せずに、彼らに負わせた責任をうやむやにしようとしても、それはうまく行かないだろう。

南京で30万人死んだとか、中国のいい加減な史実を見るのもうんざりするが、そういういい加減さにきちんと対峙できないこちら側にも幻滅する。正々堂々と、事実に立って歴史認識を正せば面子も立つと思うのだが...

2005.5.23 今日の一押しリンク

ホリエモンの錬金術。知人に教わって読んでみたが、素晴らしい出来だ。しかも、ライブドア上場に手を貸したとされる二社が二社とも、私が絶対に信用しない会社であることを見るにつけ、あー自分の目もそう悪くないじゃないかと思ったりして。

結局、馬鹿にされているのは一般の投資家と、司法なんだと思う。ズルをしても捕まらないんだったら、やったもんがちだよな。ヒルズがどうもいけ好かないのはこういう連中の住処だからなのかしら。(いや、もちろんやっかみもちょびっと入ってるかもしれないが)

嘘やごまかしで得た利益でもって「10億なんてゴミ」と豪語しIT長者と呼ばれる、そういう人達が若者の憧れの的になり、かたや、世紀の大発明をした中村教授の貢献がたったの8億だと査定する司法があり。東京新聞のコラムにもあったけれど、こういうのってまずいよねぇ。

正義はどこにあるんだろうか。おっとっと、もちろん「せいぎ」って読むんだよこれは。

関連図書:倒産長者

2005.5.21 買っちゃった

Thinkpad T42の SXGA+タイプ...って、掲示板で Ataru さんが書いてくれたのと同じになったのは全くの偶然でして、先ほど気がついたのでした。

私はモバイルは重量命な人だったのですが、実はモバイルでまともに仕事をすることってなかったんですよね。メールチェック、ウェブチェック程度だから、XGAでも困ってなかった。しかし環境が変わって、いつでもどこでもドキュメントをバシバシ入力する必要がでてきたので、広い画面を求めて彷徨ったわけです。

はじめは、WXGA を狙いました。例えばHPの これなんて、安いですよねぇ。それなりにしっかりしてるし、ヨドバシでは 10% ポイントがつくし。

予算的に、パナソはとても買えないことがわかったので落ち、Lavie は液晶のツルピカぶりが激しすぎて脱落。デザインで選んだ結果、VAIO の type T とか type S とかを眺めることに。10.6型で横1280ドットというのはちょいと目にきついかなぁと思って、type S に焦点を絞り、予算内におさまるようにスペックダウンして、まぁこんなもんかな...と決めかけたところで、まてよ、やっぱし IBM も見に行かなくちゃと思って こちらにアクセス。がーん、なんだ結構安いんじゃないか。

さっそくキャンペーン中の奴のスペックをチェック。んー、ドライブ外せば軽くなるし、となると100グラム重いだけで SXGA+ が手に入るのか。しかも安いと来ている。これは、要するに T43 が出たから型落ちになって安くなってるわけだな。こう言うのに弱いんだよな俺。ぽちっとな。

ソニータイマーに対する恐怖もどこかに残っていたのかも知れませんが、結局、2373-3WJ というモデルのオーナーになることになりました。実は ThinkPad オーナーになるのは初めて。永く使えると良いな。

2005.5.20 今日の3面記事

山口県で、60歳のじいちゃんが女装して女湯に入ったが、バスタオルを巻いたままで不審だったので、ばあちゃんに捕まったとのニュース。現行犯逮捕で、容疑が「建造物侵入」なんだって。ここが一番の謎。

これはつまり、じいちゃんは温泉の入浴料を払ってなかったと言うわけなのかな。もしちゃんと料金を払って、男湯に入るべきところを女湯に入った場合は、いくらなんでも「建造物侵入」じゃないと思うんだけど...どんな罪になるんだろうか。

このじいちゃんが起訴されるとは思えないが、なんとも暇なニュースだで、ついとりあげてしもうたがね。

2005.5.19 なぜを5回

「なぜを5回繰り返す」というのは、トヨタの品質管理活動での合言葉だそうで、repeat why 5 times としてアメリカにも輸出されているポリシーである。が、これをきちんとやるのはしんどいので、大抵の企業は場当たり的に処置をし、結果として問題の再発に悩まされる。

某社の研究所で、ノートパソコンがなくなった。現場は、もちろん入退室管理区域であって、門には守衛、壁には監視カメラが装備され、夜間は警備員による見回りも行われているところだ。この事件にたいして、某社のなんちゃら委員会の取った対応とは....

  1. お触れを出して、ラックマウントされたマシン以外、全てのパソコンについてワイヤーロックを接続し、簡単には持ち出せないように徹底させた。
  2. 取り外し可能なHDD(USB接続など)についてもワイヤーロックを各自の工夫により(笑)接続し、持ち去れないように徹底させた。
  3. 携帯可能なメディア(USBメモリなど)については鍵のかかる保管庫に保管するよう徹底させた。
  4. 全てのパソコンについて BIOSパスワードによる保護設定をするよう徹底させた。
  5. 重要な情報の入ったパソコンについては暗号化ファイルシステムを設定するよう徹底させた。

で、このお触れを守っているかどうかを巡回して定期的に監査するんだそうだ。実に面白い。まず、これだけの対策を取るのにかかる人的コストを一切無視しているところが愉快だ。ついで、こんなのを徹底させるのは到底無理であり、結果として再発防止には役に立たないと思える点が笑える。

つまるところ、「なぜ、入退室管理区域であるにもかかわらず盗難にあったのか。」に対する回答として「容易に持ち去り可能であったため」というまぬけなアイディアを思い付き、これに対して「容易に持ち去り出来ないよう固定する」という対処を取っているわけだが、これではあらゆる物品をデスクに固定しなくてはならなくなる一方、内部犯に対しては依然として脆弱なままなわけで、何やってんだか全然わからないことになる。

「なぜ、入退室管理区域であるにもかかわらず盗難にあったのか。」という問いに対するまともな回答は、「入退室管理の運営が適当であったため」というものであるだろう。実際、某研究所にはロックのかかるドアが馬鹿みたいにたくさんあって、建築子会社が潤うだけの十分な投資をしているにもかかわらず、土日に工事関係者が入室する際にはこれらのロックは一切解除されるのである。こんな杜撰な管理をするなら、鍵のかかるドアなんかない方が良い。

本当の効率性とは何か、生産性を重視した投資とは何か、そういった物の見方を役人上がりに期待するのは難しいのかもしれないが、人件費を削る一方で、無駄な投資を、それはそれは大量に行なっているから、某社の業績は今後も右肩下がりで間違いない。

2005.5.18 また給料が下がる

すごいなー。また下がるんだって。今度はボーナス。一体全体、ドウナッチャッテルノー?? ああそうか、減収減益でも増配できる秘密はここにあったんだねぇ。さすが、リストラ番長が社長を張ってるだけのことはあるぜ。事務屋はリストラって言うと人件費しか思い付かないんだろうし。

まぁ好きにするがいいさ。優秀なやつはとっくに見切りをつけているから。若手も中堅も、歯が欠けるように退職しているんだし。私の回りなんて、去年だけで、若手が3人、課長クラスが2人退職していて、今年も一人の退職が確定している位だ。

こないだ、イチローがぐるぐる回るイメージ広告をテレビで観たけど、ほんと脱力した。相変わらずSMAPをフルメンバーで使う豪勢な広告にも胸焼けがするが、今度はイチローですかそうですか。

こういうイメージにだまされて入社して来る学生がほんと可哀想。中には半年で幻滅して辞める奴もいるくらいで...もちろん、誰もが半年で損切り出来るほど素晴らしい才能を持つわけもなく。

まぁでも、愚痴愚痴言っててもはじまらないので、頑張りますよ。

2005.5.17 情けない

なんだか、日本ってのはどうしてこう偉い人にビジョンがないんだかねぇ。

2005.5.16 スモールワールド・ネットワーク

ダンカン・ワッツの 有名な本。最初の方はふーん、と言う感じだが、8章がすごく面白かった。どこがどう面白いって、もうこれは読んでもらうしかないんだけど、社会学者の組織論的なベタベタ感と、数学・物理学者のグラフ論的なさっぱり感が、バランス良くミックスされている感じ。

類書(?)は以下がおすすめ。

ネットワーク科学は大衆操作(マーケティングだって大衆操作の一種だ)の文脈で捉えると有難みが湧くと同時に、うすら寒い恐怖を感じさせる。それは、環境の力があまりに強大で抗い難いことに対する畏れのようなものだ。ほんのちょっとしたことで、アナタも明日のヒトラーになるかも知れないのだ。

ワッツは「非線型の歴史観」という節で、「情報のカスケード」がもたらす物の見方を示している。日頃、物事を相対的に観るように努力しているつもりだが、ここまで徹底した考え方をしたことはなかった。目から鱗である。「偉大さ」を例にして説明した一節をあげておこう。

ある特定の事態がどんな結果を生み出すかが事前にわかることは稀である。それは、偉大さ(例えば、天才)を見抜くことが難しいとか見誤りやすいからだけでなく、偉大さはそもそも固有の性質などでは全くないからだ。偉大さは、むしろ、多数の個人によってもたらされたコンセンサスであり、個人が独自に判断したり互いの意見を考慮したりした結果なのである。人間は単純に他人が信じていると言う理由で信じ、他人が噂しているから噂し、他人が結集しているから結集するのだ。このような偶発的意志決定が情報のカスケードの本質を形成しており、これが最初の原因と最終的な結果との関係をとことん不明瞭なものにするのである。
つまるところ、大衆がヒトラーのようなものを欲し、ちょうどそのように振る舞う奴がそのような環境に置かれれば、彼はもはや自動的にヒトラーにならざるを得ないのである。こういう悟りを得られると言う意味では、ネットワークの研究は高尚なものに成り得るが、さてどれだけの人がネットワークの持つ恐さを認識しているだろう。我々は情報の流通をひたすら密にしようとしているけど、それは社会の安定をもたらすほどには十分密になっていなくて、逆に社会を不安定にしているだけかもしれないのだ。

ネットワークに置ける一つのノードに過ぎない我々としては、情報の真贋を見極める能力をより一層研ぎ澄ます必要がある。そうでなければ、恐ろしい速度でデマを広めることが出来てしまうのだ。情報化社会の真の恐さは、実はこれから我々を襲って来るのかも知れない。

2005.5.15 JR事故その後

またたくさんの報道が。リンク先が切れるからいちいち貼らないけれど。 やはり今後の捜査の焦点はダイヤ編成周辺になりそうだ。同時に、2003年のダイヤ改正時に直線区間の制限速度を100km/hから120km/hに緩和したことも間接的な原因だから、その辺も責任を問われそう。

2005.5.13 花

何の花かな?

2005.5.12 もろもろ

2005.5.11 謎の円盤UFO

某所で、謎の円盤UFOをもじった作品を見せられて、ピンとこないでいたら「うーん、世代かぁ」と嘆かれてしまった。それで、職場になぜかコレクターズボックスDVDを持っている人がいたので借りて観ることに。おお、これってスペース1999と同じ人が作ったんだなぁ...でも本編が 1969年〜1970年の作品じゃ、私が知らないのも無理はない。

しかしどこで観ようかな。家で観ると子供にディスクが襲われるし。ううむ。

2005.5.10 道をひらく

松下幸之助のこれ。昭和43年刊行であるが、今でも普通に読めるというか、少なくとも道徳の観点からは、この37年間日本は進歩してないんだなと言うことが良くわかる本であった。特におお、と思ったのが以下の一節。

むつかしいといえばむつかしいことかもしれないが、それにしても、近ごろの人間はあまりにも脆すぎる。修練が足りないというのか、躾ができていないというのか、素直に自分の非を認めないどころか、逆に何かと抗弁をしたがる。そして出処進退を誤り、身のおきどころを失う。とどのつまりが自暴自棄になって、自分も傷つき他人も傷つけることになる。これでは繁栄も平和も幸福も望めるはずがない。(「自分の非」より)
37年前に、すでに年寄りから「脆い」と呼ばれていた当時の日本人が、いまや年寄りになって、同じ言葉を若者に向かって繰り返している...さて、37年後はどうなるんだろう。「近ごろの年寄りはあまりにも脆すぎる」とこぼす若者が多くなってくれると良いんだけれど。

この本、内容は極めて平易で、お坊さんの説教のようでもあるが、単純なことほど実践の難しいことはない。有名人の著作として、一冊くらい持っていても良いと思うけど、高いんだよねこの本。さすがは経営の神様と言ったところか。

ちなみに PHP研究所のPHPとは Peace, Happiness, Prosperity の略なんだそうだ。先ほど引用した文の中にもちゃんと含まれているあたり、さすがである。

2005.5.9 久しぶりの比較

今日はちょっとのんびりしているので、久しぶりにデジカメの画像比較を やってしまった。目的はもちろん、第三世代ハニカムを搭載したFinepix M603の評価。しかし意外な結果が...

富士のデジカメと言えば、メリハリの効いた発色で知られている。M603には緑被りという癖があることはわかっていたけれど、それでも結構期待していたのだ。ところがどうして、SANYO DSC-MZ2 の方がぱっと見綺麗、というか好みなのである。うーん、これはどうしたものか。

M603、確かに発色は悪くないのだが、標準のコントラストが弱すぎる気がする。これは癖として受け入れるとしても、エッジがぼやけた感じがするのはハニカムだからなのかなぁ。まぁこういう物だと思うしかないかも。どのみちL版プリントでは大して違わないかも知れないしな...

逆に、DSC-MZ2 はコントラストが強すぎてギラついて見える人もいるかも知れないが、明暗差の激しい所でも結構粘るのはさすが。暗いシーンのムービーとかを考えると、15fps ではあるが、やはり M603 にバトンタッチするのは難しいようだ。昼間はフジ、夜はサンヨーと使い分けることにしよう。15fps のムービーなら、1GB の CF でも不足は感じないし。

ところで Tvs-D、5M機にしては解像しないものだと思っていたが、なかなかどうして、いい感じである。これで AFと液晶がまともであったら、もう少し評判も良かっただろうにねぇ。結局マクロ以外AFはほとんど使わず、MF機として使っているので特にストレスもないけれど。

2005.5.6 大変なさけなく

JR西日本社員が事故のあとボウリングやら合コンやらに興じていたとして、社長や幹部がしきりと「情けない」と言って非難しているようだが、このコメントからしてなんとなく「自分とは関係ない、現場はしょうがないな全く...」というような意識が見えるのは気のせいだろうか。ふと、山一証券の社長の名言を思い出す(「社員は悪くないんです」と言うアレ)。

最近の報道は核心をつくものが少なく、ワイドショーレベルのしょうもなさをさらけだしているけれど、わかったのは「重大事故が発生しても、管区が違えば関係ない」という現場の風土と、「現場は情けない」ということをわざわざ知らしめて自分達の責任を回避しようとする本社の空気の二点である。

私が思うに、この事故は無理なダイヤと労務管理の締めつけ過ぎが主原因なわけで、ATSが旧型だったなんてことは付加的な要素だ。報道機関に期待したいのは、例えば次のような疑問の解消である。

宴会していた、不謹慎だと糾弾するのは楽チンだが、全然本質ではない。速度を出し過ぎた運転士とか、安全な対応ができなかった車掌をバッシングする空気がまたもや醸成されているけれど、もっとシステム側の不備を追求してもらいたいものだと思う。

2005.5.4 連休二日目

子供を連れて トーマスランドに行ってきた。結論を先に言うと、まぁ並びに行ったようなモノであった。連休中に、家族連れが集まるような所にわざわざ飛び込むのはどうかと思うのが普通であるならば、その普通の感覚を大事にすべきだと再確認したわけである。

それでも、一応家を7時前に出たのである。中央道の渋滞を避けるべく東名を回ったが、こちらも既に渋滞しており、厚木まで下道を使わざるを得なかったり、御殿場のアウトレット渋滞に巻き込まれたり、なんだかんだで富士Q についたのが 10時半位(途中でコーヒー/おむつ換え休憩あり)。

やっとついたよーと思ったら、入園券を買うのに怒涛の行列。入園までに1時間がかかるなんて全くの予想外...早くついたらフジヤマ乗ろうねーなんて言っていたのだけど、入園時にフジヤマの待ち時間は220分であった。

で、トーマスランド。阿鼻叫喚である。疲れて泣きわめくガキ共といらつく大人で。「○○!こっちだ!はやくしろ!」とか、「××ちゃん!もうお母さん行っちゃうからね!知らないよ!迷子になっても!」とか...子供が可哀想過ぎるよなー。

それでもなんとか並んで、二つだけ(待ち60min x 2)、乗り物に乗った。愚息は健気にもおとなしくしていたけれど、もう疲れて疲れて、乗ってる間もぼーっとしていた。

もういい加減疲れて、しかも帰りはわざわざ混んでる売店を通るルートを歩かされてなかなか出るに出られず、河口湖ICを出たのが15:30。計画では 14:00 に出て、すかっと帰って来るはずだったが、この時間ではすかっとはいかず、小仏TNから渋滞12km。

それじゃぁってんで上之原で降りて相模湖から412号で...と思ったが、まず20号が動かんし、412号は相模湖ピクニックランドからの帰り客で怒涛の渋滞。どひゃー、こりゃたまらん。

あわてて20号に取って返し、大垂水を良い調子で抜けたら高尾山口でやはり登山からの帰り客に捕まった。あきらめて高尾山口の蕎麦屋で夕食。18:00。

19:00 に高尾を出発して、北野街道で府中に抜けてあとは中央道を使ったが、帰宅は 20:20 であった。いやー、とろろ蕎麦はうまかったけど、時間かかり過ぎ。子供達は疲れ切ってしまった。失敗失敗。

やはり混雑が予想される場所に突っ込むには、十分な準備が必要なのだと思い知った。特に、入園券なんて当然自動券売機で、すぐ入れるだろうと思っていたのが痛恨の極みである。

2005.5.3 連休初日

子供を連れて 京王れーるランドに行ってきた。ちなみに、「レールランド」だと公式ページには到達できないので注意。

思っていたより狭かったのでちょっとがっかりしたが、 プラレール遊びが50分間堪能できるコーナーもあり、子供は目を輝かせていた。しかし、彼がプラレールにはまったら家に帰れなくなると思ったので、うまいことごまかして入口脇の「電車でGo!2」だけで我慢してもらった。車両は子供のリクエストでE3系こまち。定通は一度も出せなかったが、警笛ボーナスを繰り返してなんとか最後まで運転できた。知らない子供達がギャラリーに加わって超恥ずかしかったが、終点では9mのオーバーラン。これが決め技か...すみません、単に下手なだけです(汗)。

で、目の前は多摩動物公園なわけで、普通の家族連れなら当然中にはいるであろうところ、入口脇で御弁当を広げ、食べたら今度は多摩モノレールへ。見晴らしが良いので子供には好評。で、さくっと帰って来たのであった。こんな遠足でも子供にはそれなりに受けたようで、帰宅したらすっと寝てくれました。しめしめ。

次はどこに行こうかな。

2005.5.2 使えない道路公団

渋滞による所要時間案内が便利なハイウェイナビゲータだが、明日ちょっと遠出しようとおもってアクセスしたら

「ハイウェイナビゲータアクセス集中のお知らせ」

とかいうのが出て、全然繋がらない。以前から、重いページでスケールしなさそうだと感じていたけど、やっぱりだ。肝心な時に使えないんじゃ意味ないじゃん。これだからお役所仕事は嫌いだ。

皆考えることはいっしょで、ナビが使えないんならせめてドライブカレンダーをチェックしようと思うわけだが、こっちもやっぱし繋がらない。終了。

だいたい、みんな明日の渋滞がどうなるかさえわかりゃ良いんだから、いちいち php なんぞで検索させずに、主要路線の渋滞予想図だけトップページからリンクしておきゃ良いのだ。ちょっとした工夫で回避可能なことなのに、できてない。これはアマチュアの仕事だ。

もうそろそろ、アクセス集中でダウンするなんて醜態を晒すのはやめようよ。10年前のシステムじゃないんだから。Web が主要な情報提供手段になったわけだから、サービス不能=障害という認識をもとうよ。システム屋には、繋がらないこと即ち恥だと思ってもらいたいものである。

2005.5.1 またデジカメ買っちゃった

我ながら、もう病気である。家内にはすっかり呆れられてしまった。恥ずかしい限り。でもでも、安かったんだもの...

例によって古い奴。その名を Finepix M603 という。2002年の冬モデルで、メーカー希望価格、88,000円。購入価格は送料/税込みで定価の 1/5 であった。ハニカムには前から興味があったが、xD ピクチャーカードがどうしても嫌(そもそも Max 1GB じゃ動画もオチオチ撮れやしない)だった私にとって、本機のようなデュアルスロットは貴重である。当然、手持ちの 2GB CFを突っ込んで使う。

画質については概ね満足しているが、ちょっとこれはどうかと思ったのが2点。

特に後者については、Finepix F10 の掲示板でも話題になっていて、スポット測光できちんと比べれば決して嘘はついていないと言う結論が一応出ているらしいのだけれど、ユーザからしてみれば、数字に嘘があろうとなかろうと、シャッターが遅いのは事実なわけで、これは困る。

実はサンヨー MZ2 の後継として期待していたのだけど、例えば MZ2 の ISO400 では F3.4, 1/117s となる夕暮れの街を、M603 の ISO400 では F3.2, 1/42s だって言うんだから、その差は 1段以上。富士の ISO 表示が正しいのなら、MZ2 は ISO800 相当だということになるけど、いずれにせよ感度で負けていることには変わりがない。残念、入れ換えならず。

ただ、VGA 30fps の動画はさすがになめらか。当然 AF/AE も追従するし、ハニカムズームで結構拡大が効くのが面白そう。これは、子供を撮るのに重宝しそうだ。それと、ハニカムってエッジが柔かで面白い描写をする。解像感はちょっと乏しい気がするけど、xD カードを買わずにハニカムを味わえてシメシメである。


[2005.4]